ギリシャ神話⑤

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始まり

 青銅の時代、鉄の時代となり、神々は地上を見捨てるようになった。

 ゼウスは、神々を会議に招集し、演説した。すなわち、地上の全住民を滅ぼし、新たな種族を地上に置くことにしようという計画だった。

デウカリオーンの箱船

 ゼウスが、(青銅時代の)人間を滅ぼそうとした時、プロメーテウスの言によって、デウカリオーンは、一つの箱船を建造し、必要品を積み込んで、ピュラーとともに乗り込んだ。

 ゼウスは、大雨を降らして、ヘラスの大部分の地を洪水でもって覆った。(また、自分の水ばかりでは満足しないで、ポセイドーンを呼び寄せた。)

(全ての山々の中で、ただ一つパルナッソス山だけが水を抜きん出て立っていたため、)デウカリオーンは九日九夜箱船に乗って海上を漂い、パルナッソス山に流れ着いた。

終わり

 デウカリオーンは、箱船から下りると、ゼウスに犠牲を捧げた。

 ゼウスが、ヘルメースを遣わして、何事でも望みのものを選ぶようにと言うと、デウカリオーンは、人間が生じることを選んだ。

 そこで、ゼウスの言葉によって、デウカリオーンの投げた石は男、ピュラーのは女となった。