ヘーパイストス

表記

 ギリシャ名:Ἥφαιστος

 ローマ字転写:Hphaistos

 多くの場合、「ヘーパイストス」とだけ表記される。

性別

 男。

概要

 ヘーパイストスは、両脚曲がりの神である。

 ヘーパイストスは、アグライアを妻とした。*1

逸話

 ヘーパイストスは、縛められたヘーラーを救いに来て、ゼウスによって天空より投じられた。ヘーパイストスは、レムノス島に落ちて跛になったが、テティスに救われた。*2

 ヘーパイストスは、ギガースたちとの戦いで、熔鉱を投げつけてミマスを殺した。*3

 アテーナーが武器を造る目的でヘーパイストスの所に赴いた。ところがヘーパイストスアプロディーテーに棄てられていたので、アテーナーへの情欲の虜となり、女神を追いかけ始めた。女神は逃げた。非常な苦労の後に、(というのはヘーパイストスはちんばであったからである、)女神に近づき、交わらんとした。しかしアテーナーは慎ましやかな処女であるから、ヘーパイストスに応ぜず、彼は女神の足脚に精液をまいた。アテーナーは憤って、毛でこれを拭きとり、地に投げた。アテーナーが遁れ、精種が大地に落ちた時に、エリクトニオスが生まれた。*4

系譜

兄弟、姉妹

後裔

アッティス、あるいは、アテーナーとの子*6
アンティクレイアとの子*7
  • ペリペーテース

*1:『神統記』p117

*2:ギリシア神話』p33

*3:ギリシア神話』p38

*4:ギリシア神話』p163

*5:『神統記』p115では、ヘーラーは、ヘーパイストスをゼウスと情愛の契りもせずに生んだことになっている。

*6:ギリシア神話』p163

*7:ギリシア神話』p170