アトレウス

表記

 ギリシャ語:Ἀτρεύς

 ローマ字転写:Atreus

 多くの場合、「アトレウス」とだけ表記される。

性別

 男。

概要

逸話

 アトレウスの妻はアーエロペーであったが、彼女はテュエステースを愛していた。アトレウスはある時自分の羊の中で最も美しいものをアルテミスに捧げると誓ったが、黄金の子羊が現れた時に、その誓いをおろそかにしたと伝えられる。アトレウスはこれを絞め殺し、箱に納め、その内に保存した。これはアーエロペーがテュエステースと姦通して、彼に与えた。というのは、ミュケーナイ人にペロプスの子を王に選ぶべしという神託があり、彼らはアトレウスとテュエステースを招いたからである。そして王国に関して議論が生じた時、テュエステースが黄金の仔羊の所有者が王国を有すべきであると民衆に布告した。アトレウスがこれに同意した時、テュエステースはその羊を示して王となった。しかしゼウスはヘルメースをアトレウスに遣わして、もし太陽が逆の道を取ったならば、アトレウスが王になるという協約をテュエステースになすべしと言った。テュエステースがこれに同意した時、太陽は東に沈んだ。かくてこの神がテュエステースの横領を証したので、王国をアトレウスが獲得し、テュエステースを追放した。しかし後姦通を知って、和睦の使者を送ってテュエステースを招いた。そして友のごとく装って、テュエステースが来た時に、彼が水のニュンペーより得た子供たちを、彼らがゼウスの祭壇において命乞いをしたにもかかわらず、殺害し、八裂きにし、煮て、身体の端の部分を除いて、テュエステースに供し、彼が飽食した時に、端の部分を示し、そして国外に放逐した。テュエステースはあらゆる手段を講じてアトレウスに復讐せんとし、このことに関して神託を求め、そして自分の娘と交わって子を得たならば、という答を得た。そこでのその通りに行い、娘よりアイギストスを得た。アイギストスは成長してテュエステースの子であることを知った時、アトレウスを殺して王国をテュエステースに復旧してやった。*1

系譜

  • ペロプス

  • ヒッポダメイア

兄弟、姉妹

後裔