ギリシャ神話①

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始まり

 まず初めに、ウーラノスが全世界を支配した。

 ウーラノスガイアを妻として、ヘカトンケイルキュクロープスティーターン族と呼ばれる子供たちを得た。

 しかし、ウーラノスは、強い力を持っていた子供達(ヘカトンケイルキュクロープス)を憎み、大地の奥(すなわち、タルタロス)へと隠した。

ガイアの計略

 ウーラノスの所業に怒ったガイアは、ウーラノスへの復讐を子供達(ティーターン族)に語った。

 子供達の中で、クロノスが名乗りを上げ、ウーラノスの陰部を切り取った。

 そして、クロノスウーラノスから支配権を簒奪した。

クロノスの瞞着

 しかし、ガイアウーラノスクロノスに対して次のように予言した。自分の子供によって打ち倒される(あるいは、支配権を奪われる)と。

 そこでクロノスは、レアーを妻として得た子供達(ヘスティアーデーメーテールヘーラーハーデースポセイドーン)を生まれたそばから呑み込んだ。

 悲しみに捕らえられた(あるいは、怒った)レアーは、クレータに向かい、ディクテーの洞窟で末っ子のゼウスを産み、ゼウスの代わりに産衣(襁褓むつき)を着せた石をクロノスに呑み込ませた。

ゼウスの策略

 ゼウスが成年に達すると、メーティスを協力者として、クロノスに薬を飲ませた。

 すると、クロノスはまず石を、次に子供達を吐き出した。

 さらに、ゼウスは、ガイアの助言に従い、幽閉されていたキュクロープスヘカトンケイルたちを解放し、味方とした。

 そして、クロノスを含むティーターン族とゼウスを含むクロノスの子供達が10年に渡って戦った。

終わり

 戦いはゼウス側の勝利で終わった。

 クロノスを含むティーターン族はタルタロスに隠され、ヘカトンケイルが見張りを務めた。

 その後、支配権に関して、神々は籤を引き、ゼウスが天空を、ポセイドーンが海洋を、ハーデースが冥府の支配権を得た。

*1:『神統記』p22~29,60~66,79~93

*2:ギリシア神話』p29,30

*3:ギリシアローマ神話辞典』p60,129