ギリシャ神話②

*1*2*3

始まり

 ゼウスティーターン族を幽閉した後、ガイアは憤って、ウーラノスによってギガースたちを生んだ。

 ギガースたちは力において無敵だったが、神々に誰か人間が味方をすれば滅ぼされる、という予言があった。

 そこでゼウスヘーラクレースを味方にした。

ギガースの敗北

 ヘーラクレースはまずアルキュオネウスを矢で射たが、大地に倒れたアルキュオネウスは復活した。そこでヘーラクレースは、アテーナーの助言に従い、アルキュオネウスをパレネの外へ引きずり、殺した。

 ポルピュリオンはヘーラクレースヘーラーに戦いを挑んだ。そこでゼウスは、ポルピュリオンにヘーラーに対する欲情を起こさせた。ポルピュリオンがヘーラーの衣を引き裂いて手籠めにしようとした時に、ゼウスは雷霆を投じ、ヘーラクレースは矢で射て殺した。

 残余のギガースたちもことごとく倒された。

 ヘーラクレースはすべてのものが死につつあるところを矢で射た。

テュポーエウスとの戦い

 神々がギガースたちを倒すと、怒ったガイアタルタロスと交わり、テュポーエウスを生んだ。*4

 テュポーエウスが天へと突進すると、神々はエジプトに逃げ、姿を動物に変じた。

 ゼウスは遠方からは雷霆を投じ、近づいては金剛の鎌で打ち倒し、シリアに聳えるカシオス山まで追って行った。

 ゼウステュポーエウスが組み合うと、テュポーエウスはとぐろを巻いてゼウスを掴み、鎌を奪って、手足の腱を切り取り、両肩に乗せてキリキアに運び、コリュキオンの巌穴に押し込めた。さらに、ゼウスの腱を熊の皮に隠し、番人として竜女デルピュネを置いた。

 しかし、ヘルメースとパンが腱を盗み出し、ゼウスにつけた。

 本来の力を得たゼウスは、ニューサと呼ばれる山までテュポーエウスを追った。

 さらに、テュポーエウストラキアの地に来たり、ハイモス山を持ち上げたが、山が雷霆に撃たれてテュポーエウスの上に押し付けられた。

 そして、ゼウスはエトナ山をテュポーエウスの上に投げつけた。*5

終わり

 雷に撃たれたテュポーエウスからは炎が立ち昇り、大地のほとんどが焼け焦げ、そして溶けた。

 ゼウスは怒りに燃えて、テュポーエウスタルタロスへと投げ込んだ。

*1:『神統記』p103~108

*2:ギリシア神話』p37~40

*3:ギリシアローマ神話辞典』p104,105,167,168

*4:『神統記』の場合、テュポーエウスは、ゼウスがティーターン族を追放した時に生まれことになっている。すなわち、神々とギガースたちとの戦いは描写されていない。

*5:ここまでが『ギリシア神話』の記述。『神統記』にこのような記述はない。