カトレウス

表記

 ギリシャ名:Κατρεύς

 ローマ字転写:Katreus

 多くの場合、「カトレウス」とだけ表記される。

性別

 男。

概要

逸話

 自分の生涯がいかに終わるかと神に伺いを立てたカトレウスに神は、カトレウスが子供の一人の手にかかって死ぬであろうと言った。そこでカトレウスは、この神託を秘していたが、アルタイメネースがこれを聞き、自分の父の殺害者となることを恐れ、アペーモシュネーとともにクレータを去り、ロドス島の或る所船を着け、その地を領有してクレーティニアーと名づけた。アルタイメネースは、アタビュリオンと呼ばれる山に登って、周囲の島々を眺め、かつクレータをも認めて、祖先の神々を想起し、アタビュリオンのゼウスの祭壇を設けた。しかしその後間もなく、アルタイメネースは、アペーモシュネーを自ら手を下して殺すこととなった。というのも、ヘルメースがアペーモシュネーに恋し、遁れるアペーモシュネーに追いつくことができなかったので、道に新しく剥いだ皮を敷いておくと、アペーモシュネーは、泉より帰る途中この上で滑り、かくして犯され、アルタイメネースにこのことを明かしたが、アルタイメネースは、神というのは口実であると考え、足蹴にして殺してしまった。

 カトレウスは、アーエロペークリュメネーを他国に売るようにとナウプリオスに与えた。

 カトレウスは、後老齢に襲われた時、王国をアルタイメネースに譲りたくてたまらず、そのためにロドスに行った。カトレウスは、島のある人気のない地点に勇士たちと上陸すると、海賊の来襲と思った牛飼いたちに追われた。そして犬の吠え声のためにカトレウスが本当のことを言うのが聞こえず、石を投げつけている時にアルタイメネースがやって来て、カトレウスとは知らずに、手槍を投げて殺してしまった。後に事実を知ってアルタイメネースは神に祈り、大地の間隙に姿を消した。*1

系譜

  • パーシパエー

兄弟、姉妹

後裔

配偶者不明(または、なし)*2

*1:ギリシア神話』p121,122

*2:ギリシア神話』p121