ディオスクーロイ

表記

 ギリシャ語:Διόσκουροι

 ローマ字転写:Dioskuroi

 多くの場合、「ディオスクーロイ」とだけ表記される。

概要

 ディオスクーロイとは、「ゼウスの子」の意であり、ゼウスレーダーの子カストールポリュデウケースのことである。

逸話

 ディオスクーロイは、レウキッポスがメッセーネーによって得た娘たちを妻にせんと欲して、彼女らを奪って妻とした。

 ディオスクーロイは、アルカディアーより分取品の牛をイーダースとリュンケウスとともに追いたてた後で、イーダースにその分配を委ねた。イーダースは、一頭の牝牛を四分して、最初に食いつくした者が分取品の半分、第二の者がその残りを得べしと言った。そして最初に誰よりも早く自分の分を、次に自分の兄弟の分を食いつくし、リュンケウスとともに分取品をメッセーネーに追って行った。しかしディオスクーロイはメッセーネーに軍を進めて、その分取品とほかの多くのものをともに追いたてた。そしてイーダースとリュンケウス待ち伏せしていた。しかしリュンケウスカストールを見つけてイーダースに知らせ、イーダースはカストールを殺した。しかしポリュデウケースは彼らを追って、リュンケウスを槍を投げて殺したが、イーダースを追跡中に彼によって石を頭に投げつけられ、気絶して殪れた。ゼウスはイーダースを雷霆で撃ち、ポリュデウケースを天上に連れ登った。しかしポリュデウケースは、カストールが死骸となっている間は不死をうけることを肯じなかったので、ゼウスは両人に一日おきに神々と人間の間にいることを許した。ディオスクーロイが神々の所に去った後に、テュンダレオースはメネラーオスをスパルタに呼び寄せ、彼に王国を譲った。*1

系譜

*1:ギリシア神話』p150,151