イーロス(トロースの子)

表記

 ギリシャ語:Ἶλος

 ローマ字転写:Ilos

 多くの場合、「イーロス」とだけ表記される。

性別

 男。

概要

逸話

 イーロスはプリュギアーに来て、その地で王が開いていた競技が行われているのに出遇い、相撲で勝利を得た。そしてその賞として五十人の少年および同数の少女を得た。王はイーロスに、神託に従って、また斑の牝牛を与え、それが横になった所に一市を建てるべしと言ったので、牝牛の後に従って行った。牝牛はプリュギアーのアーテーと称する一丘上に来た時に、横になった。イーロスはそこに一市を建てて、これをイーリオンと呼び、自分に何か徴を示されたいとゼウスに祈ったところ、昼間空より天降ったパラディオンがテントの前にあるのを見た。それは高さ三キュービットで、その両足は一緒になり、右手に高く槍を、左手には糸巻竿と紡錘を持っていた。イーロスはこの木像のために神殿を営造して崇拝した。*1

系譜

  • カリロエー

兄弟、姉妹

後裔

配偶者不明(または、なし)*2
  • テミステー
エウリュディケーとの子*3

*1:ギリシア神話』p152,153

*2:ギリシア神話』p152

*3:ギリシア神話』p153