パラディオン

表記

 ギリシャ語:Παλλάδιον

 ローマ字転写:Palladion

 多くの場合、「パラディオン」とだけ表記される。

概要

 パラディオンは、その所有者たる町を保護する力があると信じられ、トロイアアテーナー神殿に安置されていたパラスの古い神像である。*1

逸話

 アテーナーが生まれた時に、トリートーンの所で育てられたが、トリートーンに一女パラスがあった。アテーナーとパラス両人ともに戦闘の技を励んでいたが、ある時争いとなった。パラスがまさに一撃を与えんとした時、ゼウスが恐れてアイギスを差し出したところ、パラスは驚いて上を見たために、アテーナーに傷つけられて倒れた。アテーナーはパラスを大いに傷んで、パラスに似せた木像を造り、ゼウスのそばにこれを立てて崇めた。後エーレクトラーが犯された時にゼウスアテーナーとともにパラディオンをイーリオンの地に投じた。*2

*1:ギリシアローマ神話辞典』p192

*2:ギリシア神話』p152,153