パンドーラー

表記

 ギリシャ名:Πανδώρα

 ローマ字転写:Pandora

 多くの場合、「パンドーラー(パンドラ、パンドーレー)」とだけ表記される。

性別

 女。

概要

 パンドーラーは、神々が象った最初の女である。*1

 語源は、よろずパンテスの神々が、贈物ドーロンを授けたから。*2

逸話

 パンドーラーは、ゼウスヘーパイストスに命じて、土を水で捏ね、これに人間の声と体力を注ぎ込み、その顔を女神に似せて造られた。

 また、ゼウスは、アテーナーには、様々な技芸と精妙な布を織る術を教えよと、アプロディーテーには、パンドーラーの頭に魅惑の色気を漂わせ、悩ましい思慕の想いと、四肢を蝕む恋の苦しみを注ぎかけよと、ヘルメースには、犬の心(厚顔無恥)と不実の性を植え付けよと、命じた。

 すると、アテーナーは、パンドーラー*3に帯をつけてやり、白銀色衣で身を装わせ、パンドーラーの頭から見事な造りのヴェールを垂れかけ、くさぐさの飾りをパンドーラーの肌につけた。カリスとペイトーは、パンドーラーの肌に黄金の首飾りを掛けた。ホーライたちは、春の花を編んだ冠を被らせた。ヘルメースは、パンドーラーの胸に、偽りと甘き言葉、不実の性を植え付け、さらに、言葉を与えた。また、パンドーラーの頭には、ヘーパイストスが細工して拵えた黄金の冠を被せられた。*4*5

 詳細はギリシャ神話③ - ギリシャ・ローマ神話を参照。

系譜

後裔

エピメテウスとの子*6
  • ピュラ

*1:ギリシア神話』p41

*2:『仕事と日』p21

*3:『神統記』では、「パンドラ」という名称は明示されていない。

*4:『神統記』p74,75

*5:『仕事と日』p18~20

*6:ギリシア神話』p41